GPIFは今年度中に「ESG投資の効果測定」を始める。ESG指数に基づく株式パッシブ運用がどのように企業行動に影響を与えたか、などを分析する。例えば、女性活躍や気候変動問題に積極的に取り組む企業で構成する株価指数への採用・非採用、 https://t.co/YkzKI2L6Fm
— Yumi (@EsgAngela) April 30, 2023
投資における「βアクティビズム」は、投資家が指数運用(パッシブ運用)を通じて社会的・環境的な影響を及ぼす試みを指す新しい用語のようです。伝統的なアクティビスト投資家は、企業の経営改善や企業価値向上を目指してアクティブに介入します。一方で、βアクティビズムはパッシブ投資家が社会的影響を及ぼすための戦略を指す可能性があります。
具体的には、投資家がESG(環境・社会・ガバナンス)要因を考慮した投資を通じて、企業に対する社会的責任の追求、気候変動への対応、ジェンダーダイバーシティの強化、働き方改革などの問題に対する企業の行動を促すことを意味します。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のこのような取り組みは、パッシブ投資家が持続可能な投資を推進する一方で、企業のESGパフォーマンスを改善するよう働きかける試みと解釈できます。βアクティビズムは、企業の社会的責任を追求する投資家の役割が増している現代の投資環境において、重要な概念となりそうです。
マーケットのβアクティビズム
βアクティビズムは、パッシブ投資家(つまり指数投資家)が市場全体の動き(β)に影響を与えるために、企業のESGパフォーマンス向上を推進することを指しているようです。この場合、βは市場全体の動きを示す指標で、パッシブ投資家がその動きに影響を与えることで、企業の行動を間接的に変えることが期待されます。
GPIFの塩村部長の発言は、その投資方針の重要な一端を示しています。つまり、彼らは単にESG投資を通じて超過収益(α)を追求するのではなく、ESG投資が市場全体の動き(β)をどのように影響し、それが市場全体の安定性や持続可能性にどのように寄与するかを重視しているのです。
つまり、GPIFやその他の大規模なパッシブ投資家は、投資ポートフォリオ全体のリスクを管理するだけでなく、ESG問題への積極的な取り組みを通じて、市場全体のリスクを低減し、長期的な安定性を確保することを目指しているのです。これは、社会的責任投資(SRI)やインパクト投資といった概念とも一致しています。