2023年6月12日、LINE証券が証券業務から撤退することがアナウンスされました。
Twitter でも以下のように結構話題を集めています。このニュースがネット証券を利用して資産運用をしている個人投資家の間でも波紋を呼び、ネット証券のリスクについて一部議論が起きています。
また野村絡みの証券事業撤退か。野村ファンドネット証券、ジョインベスト証券に続き、LINE証券で3回目。今回は持分比率49%で連結子会社ではないので、野村は前科二・五犯といったところか。
LINE、証券業務から撤退 株式部門を野村証券に移管 – 日本経済新聞 https://t.co/EQ1QxfRZnT
— 水瀬ケンイチ (@minasek) June 12, 2023
特に、LINE証券を利用して「つみたてNISA」を行なっていた人の移管等はどうなるのか?というのに、注目が集まっています。個人的には、ネット証券を選ぶ場合は大手ネット証券を選べば、このようなリスクは少ないのではないか、と考えています。
LINE証券の業務終了についてのご心配、理解できます。ネット証券のリスクが顕在化するというのは、特にNISA口座での株式の移管についての不確実性を指していると思われます。
ネット証券のリスク
LINE証券の業務終了を受け、ネット証券の新たなリスクが浮き彫りになりました。ネット証券を利用している個人投資家の中には、PayPay証券や楽天証券などのネット証券は、大丈夫なのか?との声も聞かれます。
個人的には、LINE証券に近いのは、PayPay証券など近年のブームの乗って登場したものは、LINE証券のようにリスクがあるのではないか?と思いますが、ここ1年くらい業績と悪い噂を良く聞く楽天も候補入りしているのは、なかなか香ばしいですね …
NISAで購入した株式の移管はどうなるのか?
これらのネット証券は、一般的に株式の移管が可能ですが、もし今回のLINE証券のようになった際に、NISAで購入した株式の移管については不確定要素が残ります。こちらが今後焦点となりそうです。
大手の証券会社では、一般的には株式の移管は可能です。しかし、NISA口座で購入した株式の移管については、証券会社により対応が異なります。
大手の対面証券の方がリスクが少ないのでは?
今回の騒動で、大手の対面証券の方がリスクが小さいのではないか?という声もありますが、リスクの面から見ればその通りです。大手証券会社は、資本力や経営基盤が強固であるため、業務停止などのリスクは比較的低いと言えます。
しかし気軽さ、便利さ、安さ (手数料等) の側面から見れば圧倒的にネット証券の方が便利でしょう。筆者もまず対面の証券会社は選びません。対面証券はとにかくめんどくさそうだし、煩わしそうだからです。
ですので、どのネット証券を選ぶのか?がとても重要だと思います。
2024年から始まる新NISA
更にこのニュースを受けて、2024年から始まる新NISAだけは大手対面証券にした方がいいんじゃないか?という声も出ていますが、これもネット証券で良いのではないか?と思っています。
例えばネットが苦手な高齢者等は対面証券の方が良いのかもしれませんが、若い人は積極的にネット証券を利用するべきです。しかし、LINE証券やPayPay証券を選んで投資を始めてしまうのは、ちょっとセンスがないかもしれません。
LINE証券が撤退したということは、これ系の証券会社は注意が必要だと思います。個人的には繰り返しになりますが、日本の大手ネット証券なら、このようなリスクは小さいと思っています。
しかし、確かにこの先、未来がどうなるか?例えば今回のAIブームなど、というのは誰にも分からない訳ですので、リスクに対してヘッジしておくというのは非常に有効な考え方です。
例えば、新NISAの場合、30年、40年という長いスパンで投資を行い、非課税枠 (MAX1800万分) のことを考えると、新NISAのような長期で大きなお金を運用する場合は大手の証券会社を選びたい、という人がいるのは当たり前のことだと思います。
最終的にはやはり、手軽さ手数料の安さを取るか? or 超長期間の安心を買うか?というような考え方になるのかもしれません。
ネット証券の利点は手数料の安さや取引の便利さですが、その一方で、業務停止などのリスクも存在します。大手証券会社は手数料が高い傾向にありますが、その分、安定性や信頼性があります。
投資は自己責任であり、リスクとリターンのバランスを考えることが重要です。手数料の安さを優先するか、長期間の安心を優先するかは、個々の投資家のリスク許容度や投資目標によります。
その上で、具体的な証券会社の選択については、各社のサービス内容や評判、手数料などを比較検討することをおすすめします。また、投資に関する知識を深めることも重要です。